くれぐれも慎重に!
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人材育成と教育(18)
【くれぐれも慎重に!】
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こんにちは、塩梅マンです。
前回は、【目標価格の設定力】の後半部分を書きました。
購買業務で最も核心部分である根拠のある目標価格をどうやれば設定できるのか?について、結論として2つの方法をお奨めしました。
そして、そのためにはどのような能力があなたに求められているかを概説し、見積価格に対する陥りやすい誤解について補足しました。
今回は、最も確かな目標価格の指標になる輸入価格の『解析力』に関する記事です。結論は【くれぐれも慎重に!】です。
さて、前回、輸入価格の解析で必要となる能力は次の通りだと紹介しました。
1)原料の化学物質名を訴求する能力
2)原料の輸入統計番号をミスなく選定する能力
3)輸入統計番号に含まれる可能性のある化学物質類を網羅的にイメージする能力
4)原料の流通している組成などを網羅的にイメージする能力
5)輸入通関データから狙っている原料だけのデータを解析する能力
では、順を追って少し解説して見ましょう。
1)化学物質名を訴求する能力:
先ず出発点はこれになります。
ところが、あなたのところでは購買データが品名ベースになっていませんでしょうか?
これでは前に進めません。
必要になる輸入統計番号は基本的に化学物質名に対して付されるようになっているからです。
従って、どうしても品名⇒化学物質名への変換が必須になります。メーカーの商品名・グレード名や社内暗号では取り付くシマもありません。
ですから、この変換を何らかの方法で実行する必要があります。
いくつかのやり方があるでしょうが、1番手っ取り早いのは取引先に聞くことですね。
2)輸入統計番号をミスなく選定する能力:
次は、その化学物質名に相応しい輸入統計番号を探し当てることです。
通常、購買部門で愛用されている書籍などは頭を使う必要が無く楽です。
しかし、この番号が時々間違って記載されている場合があります。又、9桁で表示されていなかったりしますので注意が必要になります。
更に、輸入統計番号の分類が時々変更されている場合もあります。
と言うことで、これらのリスクを考慮してミスなく正確に割り付けることが必要になります。
HSコードを克明に調査してこの番号しか考えられないと言う風に化学的に突き詰めることをお奨めします。
以下に続く)
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(この下続き)
3)輸入統計番号に含まれる可能性のある化学物質類を網羅的にイメージする能力:
次の注意点はこれです。
通関統計は輸入統計番号毎に数値が丸められているので、このことを考慮しないととんでもない間違いをしてしまうからです。
即ち、同一番号の中に含まれる化学物質を想像して見た時に、唯一のものしかないと言い切れるかどうかが問われます。
4)流通している組成などを網羅的にイメージする能力:
更に、組成が実質的に1つしかないことが大切です。
何故なら、組成が異なると当然価格が違って来るはずで、にも拘らずデータ類が丸められることで正確でなくなってしまうからです。
単純な濃度だけでなく、無機化合物での結晶水の有無やそのモル数などもチェックする必要があります。
5)狙っている原料だけのデータを解析する能力:
以上までの慎重な吟味を経て、目的にしている原料がその輸入統計番号の中で唯一の化学物質・組成と言い切れる場合には、間違うこと無く、単純に、輸入価額を輸入量で割ることで輸入価格を求めることができますね。
因みに、同一の輸入統計番号の中に2つ以上の化学物質・組成が含まれる可能性がある場合の解析は、私だけが可能であることを申し添えておきます。
残念ですが、そのリスクが考えられる場合は解析を諦めてください。生兵法は大怪我の元になります。私にご相談していただくしか方法はありません。
最後になりましたが、輸入価格の解析に使われる元情報はNACCS中の輸入通関統計データとなります。財務省のHPから貿易統計を閲覧することが可能になっています。
尚、輸入価格の解析スキルを修得したいと思われる方は、私が講師を勤めております化学原料系のコストダウンセミナーにご参加いただけると叶えることができます。
では、今回はここまで。今回の結論は【くれぐれも慎重に!】でした。
次回は、【人材育成と教育】の19回目です。
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編集後記)
梅雨のはずですが、連日のように既に猛暑の真っ只中に突入しているような状況で、クーラーなしでは生きて行けなくなって来ました。節電ムードの中ですが少し使わせていただいております。御免なさい。
さて、今回は、これ↓。
気がついたら一瞬の花期を逃してしまい、「来年又ね」となりがちなのがこの花。
今年はピッタリ満開でした。
緑と青空の背景の中で淡いピンクの扇は涼やかさを感じさせてくれますね。
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