ベンチマーキング
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ベンチマーキング
【果たして可能か?】
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こんにちは、塩梅マンです。
前回は、【いくらで買うのか?】の42回目でした。
購買業務の中でややもすると現状維持の仕事ばかりになりがちかと思いますが、あなたの行動でそれを打ち破る必要性を強調させていただきました。何と言ってもこの部分こそあなたの存在価値なのですからね。
さて、今日は、【いくらで買うのか?】の43回目です。
今日の結論は、【果たして可能か?】です。
あなたのところではベンチマーキングと言う手法を使われたことがありますか?
この手法は自動車や電気などの業界では半ば常識化していると聞いています。
ところで、化学業界ではどうなんでしょうか?
さて、では下記の項目に沿って考えてみたいと思います。
1)ベンチマーキングとは?
2)何故、ベンチマーキングが必要なのか?
3)何をベンチマーキングするのか?
4)ベンチマークの相手は?
5)ベンチマーキングはそもそも可能なことなのか?
6)では一体、どうしたら良いのか?
1)ベンチマーキングとは?:
これは説明するまでも無いとは思いますが、
優良な他社事例をお手本と見做して情報を収集し、あなたの会社や組織の現状と対比することで課題・問題点を明らかにする。その結果に基づいて改革をすること、です。
2)何故、ベンチマーキングが必要なのか?:
理由は、自分のことが1番分からないことだからです。ですから、他と比べることで自分を知ろうとするためです。特によその会社を経験していない場合には自社のことが常識になっていますからね。
そして、これが必要になる原因は、目指すべき目標や目的が明確にできないことから来ています。
ですから、優れた他社を目標にすることで発想しやすくしようとするわけです。
逆に言うと、確固たる目標があると言い切れる場合は不要なわけですね。
3)何をベンチマーキングするのか?:
そこで重要なのは、先ず、これです。
即ち、多くの経営対象の中で何をテーマにするかです。
あなたの場合なら、恐らく、購買組織が抱えていそうなテーマと言うことになるでしょうか?
購買組織全体とか、購買の役割の中でのどの部分か、になるでしょうか?
但し、抽象的なテーマよりも具体的であるほど効果的になります。
4)ベンチマークの相手は?:
次に問題になるのは、お手本の相手選びです。
あなたの競合としてベストな相手を選ぶことがキーポイントになります。
ここがお手頃な相手としてしまうと効果は期待薄になってしまいますから要注意です。
ですから、最近のご時世を考慮すれば「世界一のお手本」を選ぶことが肝心と言えるでしょう。日本国内1位を目指すのでは価値がありませんから。
5)ベンチマーキングはそもそも可能なことなのか?:
と見てきたところで今更の話になりますが、
理屈上はそうであっても現実にベンチマーキングは果たして可能なのでしょうか?
あなたはどう思われますか?
目的とテーマを決めるのは自分の意思だけで決まられます。
しかし、化学業界の場合、対象はそんなに簡単に決まられるものでしょうか?
(以下に続く)
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(続きです)
普及している自動車業界を考えて見ましょう。
そこでは製造しているのは自動車です。排気量や車種やグレードや仕様などは多岐に亙っているでしょうが、所詮はみんな自動車です。
ですから、この場合は、自動車会社の中で世界一のライバルを選べばお手本の対象として間違うことはあり得ません。
では、化学業界を考えて見ましょう。
世界屈指の総合化学会社であれば殆ど同じような化学製品を作っているので可能かも知れませんね。
しかし、それはごく限られたメーカーだけです。
それ以外の化学会社はそれぞれ多くの事業分野・製品の組み合せになっているメーカーが殆どです。
ですから、お手本の会社をサッと選ぶことには無理があります。
単純に、あなたの会社の購買部門とお手本企業の購買部門を比較しても殆ど意味が薄いのですね。
やるとすれば、製品単位で競合会社を考えて選択していかないと上手く比較できません。
と言うわけで、もっとテーマを絞らないと相手が決められないのです。
例えば、ポリウレタンの世界一の会社と言うレベルに絞らないとベンチマークが上手く機能しないのです。
又、自動車会社などに比べると、購買機能の一元管理が進化していないので、
本社購買・事業部購買・地場購買・海外現地購買などは分散している可能性も結構多いのです。
従って、ベンチマーキング先の会社からのデータ収集も極めて困難、且つ、情報源をはっきりしないと使い物にならないことも出てきます。
又、この手のデータは通常は調査会社に委ねることになるのですが、その情報源の信憑性も懸念されます。
核心的なデータであるほど、情報は入手困難で、得られたとしてもその信憑性を裏付けるものがないことが多くなります。
調査会社にその点を聞いても、「方法はヒアリングです。」と言う調子で、それ以上は企業秘密だとしてキチンとした返事は貰えないことが多いと思います。
ですから、何となく怪しげなデータと現状を比較して課題を議論せざるを得ない面が否定できません。
又、最近は、どの会社でもコンプライアンス強化が講じられており、昔のように調査会社がターゲット企業の社員にヒアリングしたとしても、情報が収集できるのどかな時代ではなくなっているはずです。
そんなこんなで、ベンチマーキングが使えるのか?に関して私は懐疑的に捉えていますがあなたはいかがお感じでしょうか?
6)一体どうしたら良いのか?
ここまで解説してくると八方塞で困惑されたのではないでしょうか?
しかし、正直言ってこれが現実と言うものではないでしょうか?理屈は正しくても現実には実行不可能と言う面があるのではないでしょうか?
では、ベンチマークに変わるものは果たしてないのでしょうか?
そこで、私がお奨めしているのが「輸入価格」です。
購買の仕事で最も重要な情報は価格情報ですから、あなたの最大の関心事は、適正価格や底値や国際価格ではありませんか?
何故なら、購買する立場の人が自分で変えることが出来る変数は、価格と取引先の2つしかないからです。その他の変数は殆ど必然的にあなたとは無関係なところで決まっているのですから。ですから、価格こそがあなたの存在価値そのものなのではありませんか?
それだったら、価格の厳然たるベンチマークは「輸入価格」と言う信頼性の高い実績ベースの価格情報が決め手になります。
あなたが購買している1つ1つの原料単位で、今の価格と比較すれば、課題も問題点も一目瞭然になります。
今後、あなたがどういう行動を起さなければならないのかが必然的に見えてくるはずです。
以上、今回の結論は【果たして可能か?】でした。
では、今日はここまで。次回は、【いくらで買うのか?】の44回目、です。
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編集後記)
2010年台に突入したと思っていたら、もう桜の開花を報じられる季節になってきました。ここのところずっと暖かさが続いているので早まりそうな気がしますね。
さて、今回は、これ↓です。
新宿中央公園での一駒。粒ぞろいの6匹が日向ぼっこです。
大きいのも小さいのも、と言うのが普通のような気もしますが、これほどまでに粒ぞろいとはさては6つ子なのかも?
NHKの朝ドラ「ウェルかめ」の放映も残り少なくなってきました。これでも見て思い出してください。
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