2010年02月15日

真水のコストダウン

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               真水のコストダウン

        【市況品の価格交渉の外にある世界】

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 こんにちは、塩梅マンです。


 前回は、【いくらで買うのか?】の40回目でした。

 普通考えているコストダウンには基本的な誤解が多いことを書いたのでビックリされたかも知れませんね。その内の2つ(目的の勘違いと時間軸を忘れてしまうこと)について少し解説しました。

 

 さて、今日は、【いくらで買うのか?】の41回目です。


 今日の結論は、【市況品の価格交渉の外にある世界】です。


 前回の続きです。


 では、次の問題を考えて見ましょう。


3)値下げ交渉とコストダウン


 実は、値下げ交渉とコストダウンの関係をしっかり正しく捉える必要があるのです。


 価格交渉と言うのには、

|猷爾欧任る場合
値下げにならない場合
C余紊欧砲覆訃豺隋

の3つがあります。


 従って、前回示したコストダウンの定義式を見れば分かるように、値下げできたらコストダウン額が存在します。


 値下げできなかった場合はコストダウン額はゼロになります。


 では、値上げになった場合はどうなりますか?


 その通りです。


 コストダウン額はマイナスになってしまいますね。要するにコストダウンではなくコストアップです。


 コストダウンの成果が出たときとは逆に、今度はあなたが会社に対して成績不振を詫びなければならない訳です。

 

 では、これらの誤解を纏めて見ましょう。


 頻繁に値上げを迫られるような原料で、値下げ交渉で得られる一時的なコストダウンは短期のコストダウンに過ぎないと言うことです。


 もっと違う説明をした方が良いかもしれません。


 そのような原料の単価の推移を、横軸を時間にして書いてみると分かってくることがあるはずです。


 単価は、上がったり、下がったりしますが、ある中心軸を挟んで上下に揺れ動きます。


 その揺れ動きを決めている力は、売り手からの値上げ要求とあなたからの値下げ交渉であり、両者の合意点が時々刻々の単価となっています。


 ところが、この価格交渉には常勝や常負はあり得ませんから、長い時間軸で見ればあなたは損も得もできないはずのものです。ある時に上手く得したとしても、別の時が来たらその得はチャッカリと取り返されているわけです。


 結局、頻繁に値上げを迫られるような原料での価格交渉では、ある瞬間にはコストダウンになり、又、別の瞬間にはコストアップになるのです。


 そして、そのようなコストダウンは、短期のコストダウンであって長期のコストダウンには決してなり得ません。


 又、そのようなコストダウンはその瞬間においては巨額(1円/kg値下げしたら何億円も得する)に見えますが、別の瞬間には巨額のコストアップにもなるのです。


 要するに、そのようなコストダウンは価格交渉の努力をいくら重ねても、長期的な事業の収益性改善・利益創出にはなっていないのです。


 確かに短期のコストダウンは今日を生き延びるためには大きな価値があるのですが、事業の本質的な強化には繋がりにくいのです。


 だから、経営者からこんなうめき声が出てくるのです。

(以下に続く)
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(続きです)

『あれだけ一生懸命コストダウンしていると成果を聞かされているのにちっとも会社は強くなって行かないじゃないか!一体どうなっているんだ!』


『本当にコストダウンが出来ているのだろうか?どこかで誤魔化されているのでは?』


『コストアップになった責任は一体誰が取っているんだ?』


 そして、購買部門へは更なるコストダウンの指令が飛ぶのです。


 一方、全く逆に、


 頻繁に値上げを迫られないような原料(概しては小物)のコストダウン効果はどうなっているのでしょうか?


 この手の原料は、何故、頻繁に値上げを迫られないのでしょうか?


 その理由は、一言で言うと、購買価格が適正価格よりも相当高くなっているからです。


 即ち、経済環境や製造するための原料調達環境が相当悪化しても、収益への圧迫が少ない程の値差を確保できているのでわざわざ値上げをあなたに要請しなくても凌げると言う裏事情があるのです。


 そのような状況になる原因は次のようなところにあります。


●価格情報が一切飛び交っていないので適正価格自体が全く分からない
●高過ぎる見積価格であっても見抜けない
●小物との認識から初期の単価が放置されている

 

 ではここで、もう一度、上記のコストダウンの定義式中の時間軸を思い出してください。


 小物と言うのは、年間購買金額が少ないものです。


 従って、コストダウンしたとしてもコストダウン額は少ないと思うでしょう。


 ところが、この手の原料の単価はコストダウンした後にも値上がりすることは殆どありません。


 ですから、コストダウンの行動は1回限りだとしても、コストダウン効果は翌年以降もずっと続くのです。


 と言うことは、式の時間軸、即ち、購買継続年数を乗じることができるわけです。


 結局、小物のコストダウンは年間効果で捉えたら確かに小さいけれど、効果の継続性をちゃんと考慮すれば思ったよりも遥かに大きいものだと言えますよね。


 そして、この手の原料でのコストダウンは正に会社を強くすることが出来る長期の採算性改善・利益創出であることを示しています。


 結論を言いましょう。


 真水のコストダウンとは、頻繁に値上げを迫られるような原料に於いては、値下げ交渉以外の購買構造の戦略的転換で進めること

 真水のコストダウンとは、頻繁に値上げを迫られないような原料に於いては、値下げ交渉を含めた多面的な手法で実行すること


 そして、最後に、

 頻繁に値上げを迫られるような原料に於ける値下げ交渉をコストダウン成果と呼ばないこと(経営者の目線で言えば、もしどうしてもコストダウン成果と言いたいのであれば、同時に、コストアップの責任も組織・個人として取るのが必然となりますね。)


です。

 

 以上、今回の結論は【市況品の価格交渉の外にある世界】でした。


 では、今日はここまで。次回は、【いくらで買うのか?】の42回目、です。

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編集後記)

 あと1ケ月もすればアウトドアーが楽しくなる春です。


 さて、今回は、これ↓です。

300白梅

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 香りの少ない花が多いこの時期だけに、漂う香りはありがたいものです。


 もう、早い春が来ているのですね。


 それにしても、梅花のところどころに枝が咲いているようなこの過密度。うーん、お見事です。


 メジロの撮影もと思ったのですが、外ればかり。蛍光灯ような携帯電話のシャッターでは無理なんですかねえ?

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Profile
塩梅マン
化学原料に限定した購買コンサルタントです。化学原料コストダウン研究所の所長です。輸入価格を知った上で購買するのが合理的購買の原点であると信じております。このノウハウで私は475億円のコストダウン実績を挙げました。これを日本中に普及させることを目指しております。私の究極の使命は日本が本当の意味で国際競争力を強化することです。コストダウン、開発購買などの成果を多くの方が実感されるのを願っております。