2009年02月01日

ご用心あれ!

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              ご用心あれ!

              【公開価格は魔物】

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 こんにちは、塩梅マンです。


 前回は、【いくらで買うのか?】の17回目でした。私の昔の体験談で、頼りにしていた公開価格に問題があることに気付いたことを話しました。

 

 さて、今日は、【いくらで買うのか?】の18回目です。


 今日の結論は、【公開価格は魔物】です。


 前回、公開価格を判断基準にして購買価格を一喜一憂していたことを書きました。


 しかし、やがて本当かな?との疑問が沸いてきたところまで説明しました。今日はその続きです。

 

 私が喜んで見ていた価格は『購買価格』ではなく、『メーカーが開示されることを覚悟の上で出版社に提供する希望価格』だったと気付いたのです。


 そう言えば、化学品の価格情報として世界的に最も有名なICISもトレーダーから入手している価格だそうです。決して、購買価格ではないのですね。


 そこに気付いてから、私は公開される価格を収集することを全て止めました。そして、一切参考にしないと頭を180度切り替えました。(それまで毎週のように公開される価格データをコツコツと蓄積をしていましたが・・・)


 それ以来、あの書籍に記載された価格と現状の購買価格を見比べることはなくなりました。比較は誤判断に直結する恐ろしいことですから。


 ところで、一つだけ補足しておく必要があります。


 それは、何故メーカーから提供される価格が当てに出来ないことなのか?と言うことです。


 では、少し踏み込んで考えて見ましょう。


 もし、ここで、メーカーから正直ベースで実勢価格が公開されたとします。


 では、その結果得するのは誰で、損をするのは誰でしょうか?


 そうです。得をするのは実勢価格を知ってしまった買い手です。何故ならそれを判断基準にして値下げや価格是正の行動を確信を持って実行することが出来るからです。


 一方、売り手はどうでしょうか?


 売り手は、実勢価格が公開されたことが脅威になるのです。


 即ち、もっと高価に販売したいのに実勢価格が指標として使われることで非常にやりにくくなるからです。手の内が明かされてしまったのですから。


 では、逆を考えて見ましょう。


 メーカーが提供する価格を実勢価格より高価な希望価格にしておいたらどうでしょうか?


 その場合、誰が得をして、誰が損をするのでしょうか?

(以下に続く)
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(続きです)

 その通りです。


 この場合であれば、売り手は公開された価格より少し安くすることで買い手を気持ちよくさせて楽に売れるようになります。そして、実は実勢価格よりも高価な公開価格なので抵抗も殆ど受けずに実勢価格より高く売ることができるわけです。


 勿論、この場合、損をするのは買い手です。


 しかし、実勢価格や適正価格などの判断基準がなければ、この公開価格と売り手からの見積価格を比較してすんなりと納得してしまうしかありませんよね。

 この時には、買い手には何らの後ろめたさも沸かないのです。それどころか、正当な価格で購買していると思い込むことができるのです。


 結局、公開価格は、誰が提供するデータであるのかをシッカリ踏まえてしか使ってはならないのです。いや、むしろ、そんなものならば知らない方がよっぽどマシなわけです。


 又、公開価格しかない状況では極めて弱い立場になる必然性があることに買い手は気付く必要があります。


 これにまつわる噂話で次のようなことがあります。


 あるメーカーの営業マンが出版社にクレームを付けたのです。言い分はこうです。


 『おたくの書籍でこんな価格を記載して貰っては困る。営業妨害するつもりか!出版社の分際で何の権限があるんだ!』


 いかがですか?


 公開される価格は売り手側からの情報操作の臭いがプンプンしていることをくれぐれも忘れないで下さい。


 新聞などの記事も同じようなことが言えます。


 よくあるのは市況価格の変動や値上げなどの記事をあなたも頻繁に読んでいることでしょう。しかし、これには注意が必要です。


 『●●%値上げへ』とか、偶には実勢価格らしい数値まで書かれていたりしますよね。


 これも発信側(新聞社ではありません)の情報操作がしたたかに仕組まれているのが常識です。


 即ち、『●●%値上げへ』と言うのは、見かけ上のアドバルーンであって、売り手側の本音はそれよりかなり低い値上げ幅、例えば、その半分辺りに落としどころを設定していたりするものです。


 又、時々記載される実勢価格らしい数値にも踊らされてはなりません。記載する数値はよくよく考えられて公開されているのですから。逆算したりするのは大歓迎なのです。


 即ち、公開されることで提供者が得するようになっているのです。


 そのように、価格と言うものは厄介で不透明なものです。

 

 公開されている価格情報に振り回されることのないようにくれぐれも気を付けてください。

 

 今日の結論は、公開価格は魔物】でした。

 

 では、今日はここまで。次回は、【いくらで買うのか?】の19回目、です。

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編集後記)

 2月になりましたね。インフルエンザへのリスクがマスコミで盛んに取上げられていますがそんなものは気にせず、極寒のこの時期を健康に乗り切りましょう。


 さて、今回はこれ↓です。

300何の花

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ハーモニカコンサート会場でひょっこり見つけてびっくりしました。


 花びらの格好からするとダリアの1種なのかなあ?と言った感じですが、それにしてもこの色は素晴らしい。


 黒ダリアと言うと赤と黒を足して2で割ったように赤味がかなり混ざっていると思うのですがね・・・?


 何事でも珍しいものがり屋の私にはピッタリの花。『これは春から縁起がいいぞ』と1人ご満悦に浸っています。

 うわっはっはっ!

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Profile
塩梅マン
化学原料に限定した購買コンサルタントです。化学原料コストダウン研究所の所長です。輸入価格を知った上で購買するのが合理的購買の原点であると信じております。このノウハウで私は475億円のコストダウン実績を挙げました。これを日本中に普及させることを目指しております。私の究極の使命は日本が本当の意味で国際競争力を強化することです。コストダウン、開発購買などの成果を多くの方が実感されるのを願っております。