開発購買ってなんだ?
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開発購買ってなんだ?
【事務作業から仕事に変えてしまおう!】
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こんにちは、塩梅マンです。
前回は、「なぜ買うのか?」の2回目で、社内関連部門と深く連携していくのが購買の仕事であると書きました。今後、地道にコツコツと実践してくださいね。
さて、今日は【何故、買うのか?】の3回目、です。
あなたは、新製品のための新しい原料を本格的に購入開始する段階でどのように行動していますか?
研究者「この原料の見積もりをお願いします。商品名は▲▲です」
あなた「メーカーはどこですか?商社はどこですか?」
研究者「メーカーは●●●で、くっついて来た商社は○○○です」
あなた「いつまでに見積もりが欲しいのですか?」
研究者「今度の所内月例会議に間に合わせたいので●●日までに頼みます」
あなた「そんなに急に言われても、3日しかないじゃないですか!」
研究者「何とか頼むよ、お願いだから・・・」
あなた「いつもこうなんだから・・・。ちょっと全体像を教えてください」
研究者「メールで送るから見ておいてください」
あなた「了解!」
研究者「分からんことがあったらいつでも連絡下さい」
あなた「えーと、なになに。化学物質名は***、スペックは***。購入量の計画は・・・。荷姿はDMか。」
あなた「もしもし、商品名▲▲の見積もりをお願いします。急いでいるので、必ず明後日までにお願いします。購入量の規模は○○○の3ケースです。アポの確保はこちらでしておきますので・・・」
こうやって、あなたはメーカー・商社と研究者の間を仲介して見積もり作業を進めるのではないでしょうか?
一見、何も問題はないように見えますが、これでいいですか?
えっ?何が問題か分からないって?
これは事務作業だと言うことですよ。
では一体あなたは何をする必要があるのでしょうか?
考えてみてください。
考えましたか?
そうです。仕事にしなければいけませんよね。
それってどう言う意味かって?
あなたの意思を注入する必要があるのですね。
こんな具合に。
1)この新製品の研究開発ステージと上市計画はどうなっているのだろうか?
2)この原料が必要になった背景はどうなっているんだろうか?
3)この原料はどのように新製品に組み込まれていくのだろうか?
4)今までに研究者が想定しているメーカーとどんなやり取りをしてきているのか?
5)この原料のメーカーは他にどこが候補としてあるのだろうか?
6)この原料の品質面で外せないキースペックはなんだろうか?
7)この原料は今までいくらで購入してきたのだろうか?
8)そもそもこの原料はいくらぐらいの価格のものなんだろうか?研究者はいくらぐらいと聞かされているのだろうか?
9)この原料を海外から購入できないのだろうか?もし出来ないとすれば、どんな条件が整えば可能になるのだろうか?それはいつ頃だろうか?
10)この原料がうまく使えなくなる品質面での限界値は検証されているのだろうか?
更に、なかなか難しいことだが、願わくば下記も
10)この原料の使用目的を叶えられる別の原料は考えられないのだろうか?11)別の原料としてどんなものが考えられるのだろうか?それは試薬ではなく工業生産されているだろうか?どこから買えばいいのだろうか?
12)別の原料ではどうしても無理なのだろうか?
13)もし別の原料に変えるとすれば損得勘定はどうなるのだろうか?
などを協働で調査していくことになります。
尚、ここで研究者側には通常下記のような弱点があることに注意しておいてください。
1)現在少量購入している取引先は、殆ど厳選されたものではなく手頃だっただけ
2)商社は勝手にくっ付いてきているけど研究者からすればどうでもよいことと思っている
3)現在少量購入している原料の品質のどの点をどのくらい変更したら具合が悪くなるのかどうか、殆どの場合データで裏付けられてはいない
4)メーカー側が奨めるグレードなどを価格無視で次々とテストしている場合が多い
5)最終的にどのグレードを選択するかは性能重視で決めているが、その差は僅かな差に過ぎない誤差範囲と言うことがある
6)メーカーや商社に有利な情報を無意識に提供してしまっている(他社のものでは上手く行かないとか、ここから買うしかないとか、今複数購買していないとか、他社品はテストしていないとか、しばらくは他社品は使うつもりはないとか、今の購入価格をどう思っているとか、どのぐらいの価格ならOKと言いそうかとか、・・・)
7)見積もり価格とは確かな価格だと思っている
このように考えてくると、原料購買(この場合は開発購買)と言うものの奥深さを感じますね。これをきっちりできるように努力を続ければものすごく成長できますよ。
では、今日はここまで。
【今日の名言】今回は省略します。
【トピックス】
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次回は、【何を買うのか?】の1回目、です。
編集後記)
すっかり秋らしくなってどこもかしこも祭りとイベントが毎週のように盛んですね。私も祭り好きなので次々と土日に首を突っ込んでいました。見る・飲む・食べるだけですがね。
と言うわけで、今回の写真はこれです。
正直言って秋の祭りでこんなに盛大なのは生まれて初めてでした。明石市の少し北にある三木市の大宮八幡神社でありました。
なんせ1トン以上の大きな屋台(地元ではタイコと称するそうです)が8基も出揃い、境内はぎゅうぎゅう詰めで熱気ムンムンです。屋台は境内で動きっぱなしなので、常時舞い上がっている煙でガスってしまうほどです。屋台の大きさと台数の多さで言えば、間違いなく兵庫県で最大の規模ではないでしょうか?
圧巻は、神社の入口の100段近い階段を登っていったり降ったりする屋台です。特にその内の1基は特別な屋台で、最後に登り、最初に降りるのですが、な、な、なんっと命綱がないのです。全くの命がけです。
降りていく様子を20分ぐらいひやひやしながら遠くからみんなで見物しているのですが、まるで酔っ払ったムカデのように右に左にとふらふらゆさゆさしながら1段ずつ降りるのです。
いやっー心臓がばくばく鳴りっぱなしでした。余りの恐ろしさで写真を取り損ねてしまいました。すみません。お見せできなくて残念!
因みに、三木市ではもう一つのもっと古くからある神社(岩壷神社)でも同じ規模の屋台が自慢だそうです。
みなさん、機会があったら来年是非見に行ってください。感動ものですよ。