2011年08月
相手の土俵で
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人材育成と教育(21)
【相手の土俵で】
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こんにちは、塩梅マンです。
前回は、【メーカー製造コストの解析力】でした。
これを実行するために必要になる具体的な能力について概説しました。あなたはこの能力をどうやって手に入れますか?
さて、今回のテーマは、【販売価格の推定】です。結論は【相手の土俵で】です。
要するに、見積に頼らない推定販売価格が是非とも欲しいと言うことです。
先ず、蛇足かも知れませんが、「どうして販売価格の推定が必要になるのか?」と言う点を示しておく必要があると思います。
1)そもそも何故必要なのか(1)
1つ目は、誰がやっても変わらない、担当者個人や自社の都合ではない根拠のある目標価格を決定するためです。
2)そもそも何故必要なのか(2)
2つ目は、私が推奨する最も信頼性の高い目標価格である『輸入価格』が得られない場合の頼れる目標価格に代用するためです。
3)そもそも何故必要なのか(3)
3つ目は、売り手の土俵である販売価格と言う場で価格についてコミュニケーションするためです。メーカーのコストを振りかざしてもまともに取り合って貰えないのはご存知の通りです。売値と言う相手の土俵に踏み込むしかないのです。
と言ったところです。
では、次に進んで行きましょう。
主変動費以外のコストとは?
となると、
前号で解説した主変動費の他に、人件費、減価償却費、直接管理費、間接管理費、適正利潤、その他の変動費、商社マージンなどを乗せることで販売価格に変換する必要があります。
で、ここで最も厄介なのは適正利潤ではないでしょうか?
ここからが、今回のメインテーマです。
では、主変動費以外のコストをどうやって推定します?
以下に続く)
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(この下続き)
では、主変動費以外のコストをどうやって推定します?
ですから、上記の個々の費用をどうやって推定できるのか?と言うことに行き着くことになります。
あなたなら具体的にどうしますか?どうしていますか?
普通、ここでやるのは、自社の経験的な関係やデータなどを転用して見るのではないでしょうか?
しかし、これでは余りに乱暴ですね。
何故なら、相手の会社は自社と同じようなコスト構成になっている保証は全くと言っていい程ないからです。
又、売り手の会社のこのような費用の内訳のデータを買い手側が掴める筈もありません。
ところが、売上高と直接材料費との関係を裏付ける確かなデータが実はあると言うことに着目すればこの課題は見事にクリアできるのです。
即ち、直接材料費にほぼ近い主変動費と、販売価格とを統計データで結びつければよいのです。
統計データを使って、主変動費から販売価格への推定が可能なのです。
この統計データは収益構造がほぼ共通する小さな業種毎に丸められているので、あなたが購買している原料が含まれる相応しい業種に着目すれば推定精度をそこそこに保てると言う訳です。
では、その統計データとは何者なのか?信頼しても大丈夫なのか?
ご安心ください。このデータの出所は、日本国内の全ての製造会社が定期的に経済産業省に報告を課せられている企業単位での生データ類です。常時、一般的に公開されています。
従って、これ以上に信頼性のあるデータは他にはありません。
では、具体的にどんな統計データがあり、どのようにして推定していくのでしょうか?やり方と大怪我をしないための注意点はどんな点でしょうか?
それらの詳しいことは、弊社が開催している上記のようなコストダウンセミナーにご参加されれば修得できます。
では、今回はここまで。今回の結論は【相手の土俵で】でした。
次回は、【人材育成と教育】の22回目です。
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編集後記)
盆が通過して子供たちが夏の宿題で急かされるような蝉の声に変化して来たようですが、暑さの方は相変わらず連日厳しいものがありますね。朝晩の気温が少しばかりの救いです。
さて、今回は、これ↓。
春に花が咲いていたと記憶していますが、もうこんなにも準備が出来ているのですね。
誰にも気付かれないようにヒッソリとですが、確実に秋が近づいているようです。
そう言えば、ドングリと言うのはてっきり毎年できるものと思っていたのですが、この前、マテバシイのように2年掛かるのもあると言うのを知りました。うーん、辛抱強いものですねえー。
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化学の目
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人材育成と教育(20)
【化学の目】
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こんにちは、塩梅マンです。
前回は、【提示価格の妥当性判断力】でした。
購買に最も求められている普遍的な役割はどこの国でもコストダウンであること、
そのために最も重要なことは購買価格であること、
そして、その出発点になっている見積価格をどうやれば判断できるのか?
そのためにあなたは何を根拠にすればよいのか?
などについて概説しました。
今回は、『メーカー製造コストの解析力』について考えて見ましょう。結論は【化学の目】です。
メーカ製造コストは、適正価格の目安である推定販売価格を求めるための前提事項に当たります。継続的な取引関係を維持するためには、販売価格はこれより安価になることは絶対にないからです。
このための能力は、第90号で示したように下記のようなものが必要になりますね。
1)原料の成分と組成を訴求する能力
2)原料の化学反応式を作成する能力
3)主変動費のための原単位を算出する能力
4)この合成に使われる原料(上流原料)の輸入価格解析能力
では、この中身をもう少し詳しく見て行きましょう。
1)原料の成分と組成を訴求する能力
これに関しては、このブログの中で既に説明しているのでここでは省略します。過去のアーカイブを参照してください。
2)原料の化学反応式を作成する能力
これを進めるには、下記のような局面への対応力が求められますね。
●簡便な調べ方
●何とかして上流原料を知るやり方
●上流原料が分かっている場合の反応式を作成すること
以下に続く)
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(この下続き)
●なかなか分からない製法を調査するやり方
●金を掛けてでも調査するやり方(最悪のケース)
尚、全てをあなたがやる必要はありません。社内・外を上手く使うこともお奨め致します。
3)主変動費のための原単位を算出する能力
基本的には上記の反応式が正確に作成できる能力があればほぼ必然的に算出できると思いますが、下記のような事項になります。
●上流原料の分子量の調べ方
●必要なら上流原料の分子量の手計算
●モルへの考慮
●各上流原料の所要量の算出
●各上流原料のコストの算出
尚、この場合も上記と同様に、社内の化学に詳しい人の応援を取り付けることをお奨めいたします。
4)この合成に使われる原料(上流原料)の輸入価格解析能力
これに関しても、既に説明しているのでここでは省略致します。
5)その他の若干の応用動作
必要に応じて対応が必要になるものがあるかもしれません。社内の専門家を上手く活用するのが賢明かも知れません。
以上です。
最後になりますが、あなたやあなたの所属している組織内にはこれらに対応する能力を有する仲間が上手く配置されていますでしょうか?もしNOだと
すればあなたはどんな戦略を上司に要求する必要があるでしょうか?
では、今回はここまで。今回の結論は【化学の目】でした。
次回は、【人材育成と教育】の21回目です。
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編集後記)
連日の暑さを節電気味のエアコンで凌いでいる今日この頃です。何でも効果的な暑さ対策だとTVでやってましたので、散歩後の牛乳でこの夏を乗り切れるように努力中です。あなたのところの夏はいかがでしょうか?
さて、今回は、これ↓。
キンセンカかな?
うーん?花芯の辺りが何か少し違うような気もするのですが。。。
まあ、完全な八重のキンセンカと言うことにしておきましょうか?
いずれにしてもこの夏色が素晴らしいではありませんか!
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