2011年06月
くれぐれも慎重に!
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人材育成と教育(18)
【くれぐれも慎重に!】
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こんにちは、塩梅マンです。
前回は、【目標価格の設定力】の後半部分を書きました。
購買業務で最も核心部分である根拠のある目標価格をどうやれば設定できるのか?について、結論として2つの方法をお奨めしました。
そして、そのためにはどのような能力があなたに求められているかを概説し、見積価格に対する陥りやすい誤解について補足しました。
今回は、最も確かな目標価格の指標になる輸入価格の『解析力』に関する記事です。結論は【くれぐれも慎重に!】です。
さて、前回、輸入価格の解析で必要となる能力は次の通りだと紹介しました。
1)原料の化学物質名を訴求する能力
2)原料の輸入統計番号をミスなく選定する能力
3)輸入統計番号に含まれる可能性のある化学物質類を網羅的にイメージする能力
4)原料の流通している組成などを網羅的にイメージする能力
5)輸入通関データから狙っている原料だけのデータを解析する能力
では、順を追って少し解説して見ましょう。
1)化学物質名を訴求する能力:
先ず出発点はこれになります。
ところが、あなたのところでは購買データが品名ベースになっていませんでしょうか?
これでは前に進めません。
必要になる輸入統計番号は基本的に化学物質名に対して付されるようになっているからです。
従って、どうしても品名⇒化学物質名への変換が必須になります。メーカーの商品名・グレード名や社内暗号では取り付くシマもありません。
ですから、この変換を何らかの方法で実行する必要があります。
いくつかのやり方があるでしょうが、1番手っ取り早いのは取引先に聞くことですね。
2)輸入統計番号をミスなく選定する能力:
次は、その化学物質名に相応しい輸入統計番号を探し当てることです。
通常、購買部門で愛用されている書籍などは頭を使う必要が無く楽です。
しかし、この番号が時々間違って記載されている場合があります。又、9桁で表示されていなかったりしますので注意が必要になります。
更に、輸入統計番号の分類が時々変更されている場合もあります。
と言うことで、これらのリスクを考慮してミスなく正確に割り付けることが必要になります。
HSコードを克明に調査してこの番号しか考えられないと言う風に化学的に突き詰めることをお奨めします。
以下に続く)
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(この下続き)
3)輸入統計番号に含まれる可能性のある化学物質類を網羅的にイメージする能力:
次の注意点はこれです。
通関統計は輸入統計番号毎に数値が丸められているので、このことを考慮しないととんでもない間違いをしてしまうからです。
即ち、同一番号の中に含まれる化学物質を想像して見た時に、唯一のものしかないと言い切れるかどうかが問われます。
4)流通している組成などを網羅的にイメージする能力:
更に、組成が実質的に1つしかないことが大切です。
何故なら、組成が異なると当然価格が違って来るはずで、にも拘らずデータ類が丸められることで正確でなくなってしまうからです。
単純な濃度だけでなく、無機化合物での結晶水の有無やそのモル数などもチェックする必要があります。
5)狙っている原料だけのデータを解析する能力:
以上までの慎重な吟味を経て、目的にしている原料がその輸入統計番号の中で唯一の化学物質・組成と言い切れる場合には、間違うこと無く、単純に、輸入価額を輸入量で割ることで輸入価格を求めることができますね。
因みに、同一の輸入統計番号の中に2つ以上の化学物質・組成が含まれる可能性がある場合の解析は、私だけが可能であることを申し添えておきます。
残念ですが、そのリスクが考えられる場合は解析を諦めてください。生兵法は大怪我の元になります。私にご相談していただくしか方法はありません。
最後になりましたが、輸入価格の解析に使われる元情報はNACCS中の輸入通関統計データとなります。財務省のHPから貿易統計を閲覧することが可能になっています。
尚、輸入価格の解析スキルを修得したいと思われる方は、私が講師を勤めております化学原料系のコストダウンセミナーにご参加いただけると叶えることができます。
では、今回はここまで。今回の結論は【くれぐれも慎重に!】でした。
次回は、【人材育成と教育】の19回目です。
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編集後記)
梅雨のはずですが、連日のように既に猛暑の真っ只中に突入しているような状況で、クーラーなしでは生きて行けなくなって来ました。節電ムードの中ですが少し使わせていただいております。御免なさい。
さて、今回は、これ↓。
気がついたら一瞬の花期を逃してしまい、「来年又ね」となりがちなのがこの花。
今年はピッタリ満開でした。
緑と青空の背景の中で淡いピンクの扇は涼やかさを感じさせてくれますね。
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突き詰める力
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人材育成と教育(17)
【突き詰める力】
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こんにちは、塩梅マンです。
前回は、【目標価格の設定力】について書きました。
●目標価格がどうして必要なのか?
●目標価格とは一体何なのか?どうあるべきなのか?
と言う辺りを考えてみました。
今回は、『目標価格の設定力』の続き、結論は【突き詰める力】です。
さて、「根拠のある目標価格をどうやれば設定できるのか?」と言うことが知りたくなったのではありませんか?
果たして、どうすれば誰でも同じ目標価格を設定できるのでしょうか?
この問いは原料購買を担当しているあなたにとって、実は、最も厳しい質問ではありませんか?
普段、「その目標価格が甘すぎるのだよ!」などと揶揄されていませんか?
では、「この目標価格なら誰も文句のつけようがない」と社長や部外者を唸らせるだけの絶対的な根拠を持った目標価格とはどうすればよいのでしょうか?
長年の経験で私が行き着いた結論は、下記の2つです。
1)輸入価格
2)主変動費と適正利潤からの推定販売価格
前者であれば動かしがたい証拠データそのものですから、誰がやっても同じ価格になります。
後者であれば、確かに推定にはなりますが、精度の高い推定ができれば、誰がやっても同じ価格を推定することになります。
勿論、これらはクールな数値ばかりから構成されており、情報発信者の意図が入り込む余地は全くありませんので、誤判断に誘導される危険性もありません。
では、この2つの価格を求めるための能力とは一体何なのでしょうか?
前者で必要な細分化された能力を列記すると次のようになるでしょう。
1)目的の原料の化学物質名を訴求する能力
2)目的の原料の輸入統計番号をミスなく選定する能力
3)輸入統計番号に含まれる可能性のある化学物質を網羅的にイメージする
能力
4)目的の原料の流通している組成などを網羅的にイメージする能力
5)輸入通関データから目的の原料だけのデータを解析する能力
一方、後者での能力は下記のようになるでしょう。
以下に続く)
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コストダウンの宝の山はどこにあるのか?
●あなたは、需要と供給、と言う言葉で言い訳していませんか?
●あなたは、20−30%レベルのコストダウンをしていますか?
●あなたは、円高環境を上手く活用できていますか?
●あなたは、商社に頼んでコストダウンをしようとしていませんか?
●あなたは、値下げ交渉の決め手は交渉力だと思っていませんか?
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(この下続き)
一方、後者での能力は下記のようになるでしょう。
1)原料の成分と組成を訴求する能力
2)原料の化学反応式を作成する能力
3)主変動費のための原単位を算出する能力
4)この合成に使われる原料(上流原料)の輸入価格解析のための前者での
能力
5)主変動費から販売価格を推定する能力
6)必要なら、上流原料の販売価格推定のための追加的能力
尚、ここまで解説してきましたが、今1つ念のために見積価格について補足しておきましょう。
あなたの周りに、「見積価格が目標価格である」と言う人はいませんか?
あるいは、ひょっとするとあなたもそう思っていませんでしょうか?
しかし、これは見積価格の認識を誤っているのですね。
即ち、見積価格は、たとえ競争見積で得たとしても、あくまでも「売ってあげる価格」に過ぎません。要するに売り手の意思表示に過ぎません。
これに対して、目標価格は購買する側の拠り所となる価格のことで、売り手の意思とは関係ありません。あくまでも「購買できるはずのギリギリの価格」を意味しています。
ですから、「競争見積もりしているので目標価格は設定している」と思うのは事実誤認です。
では、いよいよ最後です。
このような目標価格の設定力をあなたは既に持っていますでしょうか?
あなたの組織でこれらを確保するためには一体何をすればよいのでしょうか?
又は、社内でこれらを実現するためにあなたはどんなことをしますか?
更には、社外の力を借りるためにはどうしたらよいのでしょうか?
では、今回はここまで。今回の結論は【突き詰める力】でした。
次回は、【人材育成と教育】の18回目です。
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編集後記)
梅雨の真っ只中ですが、時々雨が降ると言った調子の比較的穏やかな状況で少しメランコリーな気分です。夏の水不足にならないように、一方では、東日本で集中豪雨が来ないようにと願うばかりです。
さて、今回は、これ↓。
どこにでもいそうな野良ですが・・・。
人なつっこい奴で、なでなでしているとお腹まで触らせてくれるほどの「身を任せ」振りなんです。
場所は、東京都葛飾区柴又。帝釈天の境内での出来事でした。ハイ。
さしずめ、フウテンのにゃんさん。
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