2011年05月
ゴールを見据えて
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人材育成と教育(16)
【ゴールを見据えて】
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こんにちは、塩梅マンです。
前回は、【取引先の購買仕様書記載への指導力】について書きました。
●キチンと書いて貰う項目は何か?
●そのために必要な能力とは何か?
を示すと共に、もしあなた自身や組織内に備わっていない場合の対策に触れました。
今回は、『目標価格の設定力』について考えてみたいと思います。
今日の結論は【ゴールを見据えて】です。
ここで先ず考えなければならないことは、
「どうして目標価格が必要なのですか?」と言う素朴な疑問についてです。
これには2つの重要な理由があるのではないでしょうか?
1つ目は、およそビジネスと言うものに必ず必要なこととして「どうなりたいのか?」と言う一種のゴールをイメージすると言う部分があります。
社内のどの部門を見てもお分かりのように、各組織やその構成員である各個人にはゴールが明確に設定されているから仕事が回っていますね。
ゴールを設定すると現状を冷静に見つめることが出来るようになり、結果として問題や課題に気付くことが出来る訳です。
ゴールがないところに現状の問題も課題も生まれてはこないのです。あるのは現状と言う状態があるだけになってしまいませんか?
2つ目の理由は、原料購買の最大の関心ごとは、「購買価格をいくらに出来るか?」ですから、
そのゴールである目標価格がどうしても必要になると言う訳ですね。
やはりこの場合も、目標価格を決めることで初めて現状の購買価格の問題や課題、更には取引先の適否までが見えてくると言う関係になっています。
目標価格がなければ、現在の取引先との購買価格が事実として存在するだけであり、何らの感情すらも湧いてきませんよね。
そう言うことで、目標価格の設定がどうしても避けて通れないと言うことが分かりますね。
ところが、意外なことなのですが、社内の他部門と異なり、購買部門ではゴールである目標価格が設定されないままの業務運営が結構許されていたりするのではないでしょうか?
果たして、あなたのところではいかがでしょうか?
ややもすると、
「今までの価格が●●であったのを、△△に出来ました。めでしめでたし」となっていませんでしょうか?
実は、ここで重要なことは、
以下に続く)
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実は、ここで重要なことは、
A)コストダウンの過程で目標価格はそもそもいくらであったのか?
B)この目標価格の根拠は何であったのか?
C)その根拠は妥当であったのか?
D)この目標価格から何が課題になっていたのか?
E)この目標価格を目指してどんな具体策を講じたのか?
F)到達した価格を目標価格と比較してどう評価するのか?
G)更に今後に残された課題は何なのか?
H)残った課題への方策とスケジュールをどうするのか?
などが議論され、合意され、今後が方向付けられると言うサイクルを回して初めて仕事になって行くと言えますよね。
では次に、肝心の目標価格とは一体何なのでしょうか?又、どうあるべきなのでしょうか?
まず、目標価格は購買担当者の個人としての感覚や思惑で決めるものではないと言うことが注意点かも知れません。
もし、これを認めてしまうと、担当者は自分がストレスを感じないようにハードルを下げてしまうからです。
昔、子供の頃に遊んだゴム跳びと言うのがありましたが、飛ぶ瞬間に手で下に押し下げて飛び越える反則と言うのがありました。これをやってはおしまいですよね。
思い切ったチャレンジこそあなたの存在価値ではありませんか?
次はこの逆ですが、目標価格は誰がやっても同じようになる根拠を持って設定するのが理想ではないでしょうか?
そうなって初めて目標価格の確たる資格が備わっていることになります。
あなたは、誰がやっても同じになると言う目標価格を設定していますか?
YESであればあなたは本当に立派なプロですよ!
NOであれば今後の課題ですね。
では、今回はここまで。今回の結論は【ゴールを見据えて】でした。
次回は、【人材育成と教育】の17回目です。
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編集後記)
台風2号が通過して一段と緑が深まった気がします。本格的な梅雨をしばらく凌ぐ時期になりましたが地盤沈下した東日本や地盤の緩んだ宮崎県などを思えば、今年はむしろ長くてもいいから穏やかな雨であることを願いたい気分です。
さて、今回は、これ↓。
マメの花のような格好をしているが、鮮やかな一色。
葉はネムの木やネムリ草のような構造ですが、葉っぱの割には花の数がビッシリで咲きっぷりがお見事。
まあ、犬のように群れたスズメとは上手く言ったものですよね。
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深く知ること
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人材育成と教育(15)
【深く知ること】
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こんにちは、塩梅マンです。
前回は、【断片情報から原料規定への遡及調査力】について書きました。
原料情報の不足を補うやり方と、それ以前に、開示を拒否する売り手への処遇に関して概説しました。
今回は、『取引先の購買仕様書記載への指導力』について考えてみたいと思います。
今日の結論は【深く知ること】です。
さて、そもそもこれをわざわざ必要になる主な理由は、適正価格の推定をして、世界中から供給先を探し出し、結果としてコストダウンに繋げるためですね。
では、どんな項目が特に必要になるのかを整理して見ると下記のようなものになるでしょう。
1)化学物質名とCAS−NO
2)構成成分とその混合比率
3)特注品であるのかどうか
4)品質スペックの検査規格
5)法的規制とその内容
6)上流原料類の化学物質名
尚、ここで上流原料と言うのは、原料を製造するためのもう一つ前の原料のことを便宜上表現しています。
特に6)は適正価格を洞察する上で非常に重要であるにも拘らず大抵の場合は疎かになっているのではありませんか?
記入する欄すら設けていないと言うことになっていませんでしょうか?
では、これらを購買仕様書にキチンと書いて貰うために買い手に必要な能力とはどんなものになるでしょうか?
それは、
A)上記の項目を正確に理解・咀嚼できる能力
B)これらの項目の記載不備を見抜く能力
C)記載不備を満足できるレベルに改善させる能力
D)特注品に関する記載の正否を見抜く能力
などとなります。
さてさて、あなたにはこの能力が備わっていますでしょうか?
以下に続く)
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(この下続き)
あなたは上手くこなせていますでしょうか?
YESであれば、上手く機能していると言えますね。
一方、NOであれば、現状を変える必要があります。
では、何をすればよいのでしょうか?
それは、下記の5つの内の少なくとも1つを確保することではないでしょうか?
即ち、
1)あなた自身がそのような能力を身に付ける
2)組織内の同僚や部下の中でこの能力を確保する
3)組織外の応援を適宜得るようにする
4)購買仕様書の実質的な作成を技術・研究部門に担って貰う
5)社外のプロにアウトソーシンする
などです。
結局、あなたが自己研鑽してその能力を修得していくか、あなたが周囲に積極的に働きかけていくか、又は、この能力の必要性を上司に訴えて戦略にして貰うと言うことになりますね。
今回の結論は【深く知ること】でした。
では、今回はここまで。次回は、【人材育成と教育】の16回目です。
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編集後記)
東日本大震災から2ケ月を過ぎましたが大きな爪後は依然として残ったままで大変なご苦労が続いているとの現地報道で見て、関西にいる者も今でも胸が締め付けられる思いです。一歩一歩着実に復旧が進む事をお祈り申し上げます。
それにしても、入院中にすっかり新緑に様変わりしてしまいビックリです。
さて、今回は、これ↓。
普通サンザシと言われているのは専ら一重の白い花なのですが。
色も形もずいぶん違うようです。
まあー、珍しいものが大好きですので嬉しい出会いでした。
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