2010年05月

2010年05月31日

価格情報の実態1

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             価格情報の実態1

             【情報源は?】

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 こんにちは、塩梅マンです。


 前回は、【いくらで買うのか?】の47回目でした。

 市況品の価格交渉が思うようにならないことを真剣に悩んでおられる方が非常に多いので、そのことを取上げました。結論として、「不本意な結果で自分を責めるのはやめましょう」とお奨めしました。正直言ってその世界はあなたの力で何とかなることは殆どないのですから。


 さて、今日は、【いくらで買うのか?】の48回目です。


 今日の結論は、【情報源は?です。


 購買に取って最も重要な情報は何でしょうか?


 そうです、価格情報です。


 そこで、今回は価格情報の実態について考えて見ます。


 では、あなたが手にすることが出来る価格情報にはどんなものがありますか?


 そうですね。真っ先に思いつくのは、見積で知ることができる価格情報でしょう。


 これは、必ず誰でもやらなければならない避けて通れないものです。


 当然のことですが、これにはいくつかの意味があります。


 先ず1つ目は、誰でも苦労することなく手に入る価格情報であると言うことです。海外でない限りは、電話一つで手にすることが出来ますね。


 2つ目は、始めて手に出来る価格情報である場合が非常に多いのではないでしょうか?理屈ではそれでいけないと分かっていても、やはり見積価格が始めて知る価格になってしまうのですよね。


 3つ目は、他社からも見積価格を取れば相互に比較できる価格情報と言うことです。相見積ですね。


 4つ目は、この見積価格から交渉が始まると言うことです。言い換えると見積価格とは売りたい価格であると言うことですね。


 ここで肝心なことは、上記のようなのが見積価格ですから見積書を手にした時点では価格を判断できないと言うことでしょうね。


 「あっ、そうですか!?」と言うことだけです。


 唯一、判断できることは相見積の場合であり、「A社の方がB社より50円/kg安いんだ」と分かるだけです。


 尚、「相見積が果たして競争見積になっていたかどうか?」は難しい問題ですがね。


 と言うことで、見積価格は何かと比較して始めて判断が可能になると言うことになります。


 では、一体何と比較するのか?


 そこが悩ましいことになっていませんでしょうか?


 「見積価格を判断するための別の価格情報をどうすればよいのか?」を考えて行きたいと思います。


 では、あなたはどうしますか?


 ちょっと考えて見てください。

以下に続く)
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(続きです)

 どうでしたでしょうか?どんな方法がありましたか?


 ざっと次のようなものを思いつかれたのではありませんか?


1)試薬定価表から得る価格情報
2)書籍・雑誌などで公開されている価格情報
3)業界新聞・市況新聞などで報道されている価格情報
4)ICISから購入する価格情報
5)特定の調査会社に調査させた価格情報
6)取引先の競合会社から教えて貰う価格情報
7)同職者から教えて貰う価格情報
8)親しい友人から教えて貰う価格情報
9)取引先から教えて貰う価格情報


 では、少し詳しく見て行きましょう。


1)試薬定価表から得る価格情報


 これが最も楽な調べ方です。試薬メーカーの分厚いカタログを見れば定価が書かれています。


 しかし、工業生産に使われる化学原料の場合、正直言ってこれでは役に立ちません。


 試薬の価格は工業化学品とは桁違いに高価になっています。


 又、化学物質間の価格の差異の合理性もあまりはっきりしていません。ですから、試薬の価格から工業化学品の価格を推定することも殆ど不可能です。


 しかも、あくまでも定価であって、実勢価格ではありません。


2)書籍・雑誌などで公開されている価格情報


 次に使いやすいのはこれになります。本に書いてあるのですから。


 しかし、売買に取って最も重要な情報である価格情報がこんなに簡単に手に入るものなのでしょうか?


 昔、研究開発をしていた頃に、この便利な書籍に出くわして随分重宝したことがありました。


 その後、購買をすることになった時もこれを頻繁に紐解いて、実際の購買価格と比較して、「この原料はそこそこ上手く買っているな。こちらの原料は凄く安く買えているじゃないか」などと言って一喜一憂していました。


 しかし、あることを突き止めて以降、意識的に見ないように変えました。


 それは、


価格情報の発信源が、購買している人ではなく、メーカーと商社であると知ったからでした。


 購買する立場にあった私が欲しかったのは購買価格だったのです。見積価格を判断するための別の価格情報を求めていたのですから。


 以上、今回の結論は【情報源は?】でした。

 

 では、今日はここまで。次回は、【いくらで買うのか?】の49回目、です。

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編集後記)

 温度差の激しい今日この頃ですが、やや入梅が遅れる気配だそうです。今の内にアウトドアを楽しみましょう。


 さて、今回は、これ↓です。

美女桜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その名は、美女桜。多分・・・。


 赤い内輪とピンクの外輪。ドーナツのような花にも見えます。

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2010年05月15日

悩みのタネ

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                 悩みのタネ

            【それはあなたの性ですか?】

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 こんにちは、塩梅マンです。


 前回は、【いくらで買うのか?】の46回目でした。

 巷で頻繁に口にされる需要と供給と言うキーワード、それを聞き流すのではなく、「あなたとしてどう生かせばよいのか?」について考えてみました。


 さて、今日は、【いくらで買うのか?】の47回目です。


 今日の結論は、【それはあなたの性ですか?です。


 「あなたのような買う立場の皆さんが最も悩んでいることは一体何でしょうか?」


 コストダウンセミナーの度に参加していただいた方にいつもこの質問をしています。


 そして、その回答にいつも驚かされています。


 60%ぐらいの人がこう答えるからです。


 「価格交渉で、自分の言い分がなかなか通らない。結果として、狙っていた目標価格に届かず、それが本当に悩ましい。辛い。苦しい。」


 そして、もう少し聞いてみると、その原料と言うのは、値上げ交渉と値下げ交渉が頻繁に繰り返されているいわゆる市況品と称するものなのです。


 要するに、「市況品の価格交渉が自分の思うようにならないことが最大の苦しみだ」と自分自身を責めている構図なのです。


 ですから、私はいつも不思議な気持ちになります。


 なぜかと言うと、悩める本人の一人相撲になっていると感じるからです。


 次の事を考えてみてはいかがでしょうか?


1)市況品の価格をどうして自分の思う通りにできると考えるのか?
2)思うようにならないのは自分の性なのでしょうか?


 少し解説してみましょう。


1)購買価格の決定メカニズム:


 そもそも価格と言うのは多くの要素が作用して決まるものです。


 最も根本にあるのは、原料代などの変動費と製造に直接関係した固定費です。


 これに各種の経費や販売管理費、利益などが加えられて販売価格になって行きます。


 又、価格政策と競争関係、需給バランス、売り手企業と買い手企業の力関係、などがあります。


 直取引でない場合は、商社マージンもあります。


 更に、特に市況品の場合、売り手主導が色濃く影響を及ぼします。


2)価格を決めるのはあなたなのですか?


 上記を見ると、あなた個人の寄与は少なくとも表面上は含まれていません。


 にも関わらず、あなたは不満足な価格になる事を自分の性だと何故思ってしまうのでしょうか?

以下に続く)
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(続きです)

 確かに、交渉の巧拙はあるかもしれません。しかし、それは微々たる効果しか期待できません。


 一方、売り手側でもあなたが接する営業マンが決めているのではありません。多くの権限者がバックにいて営業マンをコントロールしているのです。


 逆に、買い手側でも同様で、担当しているあなたには決定権はなく、上司や関連部門の了解なしには動けない格好になっているはずです。


 ですから、決まった価格があなた個人の性であると考えることのは勘違いに過ぎません。


 たまたまあなたが価格交渉に関与しているだけなのです。


 勿論、何とかよりよい結果にしたいとの情熱は貴重です。しかし、殆ど、なるようにしかならないと言うのが実態なのではありませんか?


 特に、巨大なメーカーや総合商社のような強力な売り手が主導している市況品の世界では、どんなに戦術を駆使したとしても、殆ど彼らの意図の通りになるようになっているのですから。


 それを突破するには戦略しかありませんが、それは価格交渉の外側にあるものです。


 そもそも、戦略は、社長・経営者・購買責任者などの会社の顔となっている人達が行なうべきことです。


 ですから、実務担当者であるあなたが交渉結果である価格の不本意について自分自身を責める必要など全くないのです。単なる思い過ごしです。


 自分自身に問うべき部分があるのは、


A)用意した戦術自体には満足できたか?
B)会社としての納得性を追及できたか?
C)今後に向けて、現状を変える戦略を考え出せたか?上司に提案したか?
D)同じ苦しみを繰り返さないために購買構造の転換を決意できたか?
E)明日から行動するための構造転換計画を作成したか?


などではないでしょうか?


 要するに、交渉結果ではなく、中身と今後に神経を集中することが求められているのではないでしょうか?

 

 以上、今回の結論は【それはあなたの性ですか?】でした。

 

 では、今日はここまで。次回は、【いくらで買うのか?】の48回目、です。

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編集後記)

 アジサイの開花も既に始まっていますが、梅雨入りまでの春をもう少し楽しみたいものですね。今年の神戸祭りはお天気に恵まれそうで嬉しい限りです。


 さて、今回は、これ↓です。

黄しゃくやく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 立てば●●●●●。座れば牡丹。歩く姿は・・・。


 それにしても、こんな色のもあるのですねえー。

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2010年05月06日

何ができるのか?

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                 需要と供給

              【何ができるのか?】

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 こんにちは、塩梅マンです。


 前回は、【いくらで買うのか?】の45回目でした。

 巷で多用されている経験曲線と言う論理には隠れた部分があり、普遍的なものではなく、化学業界などでは無理があることを取上げました。ですから化学原料の領域では毎年○%の値下げなどと言う発想自体が馴染まないものであると言うのが結論でした。


 さて、今日は、【いくらで買うのか?】の46回目です。


 今日の結論は、【何ができるのか?です。


 需要と供給、


この言葉は経済の大原則と言われています。環境の変化があるたびにこの言葉が飛び交っています。


 実際の使われ方を例示すると、


● 非常に供給がタイトなので価格が上昇している。


● 需要が減退しているので供給調整が起こっている。


● 需要が世界規模で急増しているので供給が追いつかない。


● 供給過剰で値崩れを来たしている。


と言った調子です。


 そして、その矛先は買い手の価格への跳ね返りになる場合が多いように感じています。


 即ち、売り手の殺し文句として多用されているのではないでしょうか?


 この言葉は、価格の上昇傾向を伝える雰囲気作りとして、又、値上げの理由として使われたりしますが、どちらかと言うと、人が作り出したことと言うよりも人の力では抗しがたい自然発生的なニュアンスで上記のように表現されることが多いと思います。


 しかし、それは本当なのでしょうか?


 先ず、需要と供給と言う場合、3つの側面があります。


 それは、


1)経済全体に関して
2)業界単位での特異性として
3)原料毎に


と言うものです。


 従って、需要と供給と言う言葉を聞いた時は、上記のどの意味で使われているのかに注意をする必要があります。


1)であれば、「ふーん、そうなんだー。」と受け止める。これしかありません。


2)であれば、「その業界はそうなんだね。私の関係する業界ではどうなんだろうか?」と考えてみる。


3)であれば、「その原料は私に関係あるのだろうか?」と直視する。


と言うように受け止め方を使い分ける必要があると思います。


 いずれにしても、あなたが需要と供給をどう認識するかに掛かってきます。

以下に続く)
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(続きです)

 「あなたの力ではどうしようもないことなのかどうか?」がもっとも肝心なところです。


 その通りであれば、身を委ねるしか方法はありません。状況が変化するのを待つしかありませんね。


 しかし、何か自分でどうにかなる部分があるとすれば、需要と供給の視点から行動を起すチャンスがあります。


 即ち、


「状態として吸収するのか?行動を変えるのか?」が重要なわけです。


 特に、原料固有の話である場合、あなたに取って注目するべきところになるはずです。


 その場合、供給を静的な事実と捉えるのか、自分でも変えることが出来る変化するものと考えるかは大きな違いになって行きます。


 供給を世の中の一般的な状態と考えるのではなく、あなたの置かれている局面での供給と捉え直すことが出来れば行動を生み出すことができます。


 その原料の、今あなたが手中にしている供給に束縛されることなく、手中外の供給に目を移すことが出来れば、実質的な供給は増やせることになります。


 供給を、現在取引している相手だけで考えるのではなく、取引していない多くの供給先を視野に入れるようにすれば、供給はあなたに取っては増加できる余地があるのです。


 よく、耳にする言葉に「需給バランスが狂っているのでこの原料の値上げを飲まざるを得ません。」と言うのがあります。


 ですが、冷静にこの言葉を表現すると次のようになっていることが多いのではないでしょうか?


 「この原料の現時点での私の取引先はA社とB社であり、その両社の供給能力は逼迫しているので、販売価格の高いお客様を優先して販売されている現状を無視できない。だから値上げを認めざるを得ない。同意しないと、安定的な購買が保証出来ない。」


と思わされるに過ぎないのでは?


 逆に言うと、


A社・B社以外の供給先をあなたが自由自在に開拓できれば、この供給不安は幻想でしかない。他の競合先と本気で取引するならば値上げの圧力は緩和できるかも知れない、


と言うことです。


 ですから、このような局面であなたに求められている本質的な行動とは、


現在の取引先と競合関係にある世界中からの購買を自由自在に出来るように変えること


になるのではありませんか?


 要は、競争原理が十分に働くように自由な発想で仕事を変えていくことがキモなのではないでしょうか?


 以上、今回の結論は【何ができるのか?】でした。

 

 では、今日はここまで。次回は、【いくらで買うのか?】の47回目、です。

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編集後記)

 素晴らしい晴天続きのゴールデンウイークでしたね。気温も快適(暑すぎ?)で春真っ盛りを実感できた長期休暇ではなかったでしょうか?


 さて、今回は、これ↓です。

クラブアップル

 

 

 

 

 

 

 

 桜の花かと思いましたが、大きさが全然違ったようです。


 その名は、クラブアップル・プロフュージョン。


 直径2セント程度の赤いリンゴが枝いっぱいにつくそうでき、秋が楽しみです。


 うーん、それにしても、桜に勝るとも劣らない美しさに感激。
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Profile
塩梅マン
化学原料に限定した購買コンサルタントです。化学原料コストダウン研究所の所長です。輸入価格を知った上で購買するのが合理的購買の原点であると信じております。このノウハウで私は475億円のコストダウン実績を挙げました。これを日本中に普及させることを目指しております。私の究極の使命は日本が本当の意味で国際競争力を強化することです。コストダウン、開発購買などの成果を多くの方が実感されるのを願っております。