2009年01月

2009年01月15日

公開価格とはなに?

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               価格情報

              【公開価格とは?】

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 こんにちは、塩梅マンです。


 前回は、【いくらで買うのか?】の16回目でした。原料購買の現場で出くわす空気について話しました。

 そして、安定供給最優先とか、QCDのバランスなどの発想が結構根強いのですが、やっぱり購買業務で膨大な精力を掛けないと出来るはずがない最も重要なものは『価格の追求』であると言うことを述べました。


 さて、今日は、【いくらで買うのか?】の17回目です。


 今日の結論は、【公開価格とはなに?です。


 ちょっと恥晒らしになるのですが、敢えてあなたの参考になればと思いますので、昔、私が原料購買部門に入った頃のことを話しましょう。


 当時の私の一番の疑問は、


『購買価格が適正かどうかみんなはどうやって判断しているのだろうか?』と言うことでした。


 そんな発想が出てしまうのは、私が研究開発部門で仕事をしていたから習性でしょうかね。


 私が相手にしている対象は、自然科学であり、原因と結果の関係を追求することで道を切り開いていく世界にいました。


 勿論、この世界では嘘は絶対に許されないです。


 自然現象を素直にあるがままに受け止め、それを意図する方向にどうやれば変えられるのか?を合理的・論理的・原理的に創造していくことが求められるのです。そして、世界一であることが。


 ですから、原料購買と言う人間の営みにも多くの必然性や合理性などが作用していると思っていたわけです。


 当然ながら、原料購買の最も根源的なテーマである価格に関しても、偶然ではなくある種の必然性があるはずで、それを現実の購買担当者はどう扱っているのかに最大の興味があったのです。


 自然科学の世界では、有史以来の人間の知識と知恵の集大成は文献として残され、後に続く人はそれを踏まえた上で、更にそこから創造することを目指すやり方は全くの常識であるわけです。誰でもやらなければ前に進めません。


 逆に言うと、それすらしない人は99%創造行為は出来ないわけです。


 即ち、人間一個人の力ではほとんど何も出来ない世界なのです。


 そこで、当時の新米であった私がやったことは、『知ることができる価格』を調べることから始めたのです。


 業界新聞とか専門誌とか色々調べました。


 その中で最も網羅的で便利だったのが『***の化学商品』と言う書籍でした。


 これを見ると大抵の化学原料の価格が記載されているのです。


 こんなありがたいものはない。日本に限らず、世界中でも同じようなものがあればいいのになあ。


 そう思って、購買実績とこの価格とを見比べて、


『これは安く買えていないな』
『これは結構お得になっているな』
『これは凄く安く買えている。素晴らしい!』


などと判断して内心喜んでいました。


 と同時に、自分の所属している原料購買部門は高い購買能力を持っている人達の集まりなのだなと誇らしく思ったりもしました。


 ところが、そうこうしている内に何かしらの疑問がフツフツと沸いてきたのです。

(以下に続く)
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(続きです)

 『どうして、ウチはこんなに安く買えているのだろうか?』
 『どんな能力を持っているのだろうか?』
 『それは、どの人が持っているのだろうか?』


 しかし、その理由がどう考えても見つからないのです。


 この人は普通のことしかやっていない。

 この人はいつものやり方をやっているだけだ。

 この人は適正価格を知っているとはとても考えられない。

 価格を一生懸命調べている人はどこにもいないではないか?


 そこで、私はこの書籍の出版社に聞いてみたのです。


 『ここに価格が書かれていますが、どこからデータは入手するのですか?』


 果たして答えは何だったと思いますか?

 

 

 『メーカーや商社・代理店からデータは入手しています』


 これがその答えだったのです。


 私は、てっきり購買者から入手したデータと思っていました。


 私がバカだったのですね。


 価格データを集める出版社の立場になって考えてみたら分かることでした。


 では、どこに聞けば欲しいデータが得られるのか?


 問合せ先としてメーカーに聞くのが最も空振りが少なくデータを入手できるのは当たり前のことですよね。


 一方、購買者に購入価格を聞くのは殆ど現実的には不可能ですよね。何故なら、聞いた相手がどんな原料を購買しているのかすら殆ど分からないことですから。


 即ち、●●と言う原料の実勢価格を確実に聞き出せる相手は、●●と言う製品を作っているメーカーが最も適しているし、間違いがないわけです。


 一方、私のような原料購買をしている立場の人が最も実勢価格を知りたいのですが、そこで必要なデータとは購買価格なんですよね。

 

 今日の結論は、【公開価格とはなに?でした。

 

 では、今日はここまで。次回は、【いくらで買うのか?】の18回目、です。この続きをやります。

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編集後記)

 新年が明けたと思ったら、もう1月半ばになりましたね。3月末までの時間は特別に短いと感じさせられる時期が到来しました。スピードアップして行きましょう。


 さて、今回はこれ↓です。

300かもめ

 

 

 

 

 

 

 例年のことなのですが、オンパレードです。


 明石公園(明石城址)は海岸から遠くないので、今の時期にはこれはよく見かける光景です。


 今回は規模はやや小さいが20-30羽の群れをなしてズラリと整列しています。パンなどは大好物のようで、果敢に腕に止まって来る度胸のあるやつもいます。


 元来、鳥は警戒心が強く、人間との間合い以上には近づくことが難しいものですが、このユリカモメたちは人なつっこく、可愛らしいものです。


 因みに、大蔵海岸にある離れ波止では数百羽が群れており、コンクリートをすっかり覆って真っ白になっています。


 冬真っ盛りを実感させてくれます。と言うことは春も近いわけです。

 



2009年01月05日

キツネと葡萄

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               キツネと葡萄

             【3つの内どれが最重要か?】

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 こんにちは、塩梅マンです。

 明けましておめでとうございます。本年もご愛読の程、宜しくお願い申し上げます。


 前回は、【いくらで買うのか?】の15回目でした。価格が決まるまでの過程を考慮して、買い手が関与できる部分はどこかと考えたら、コストと適正利潤の2つに注目すべきとお分かりいただけたことでしょう。


 さて、今日は、【いくらで買うのか?】の16回目です。


 今日の結論は、【3つの内どれが最重要か?です。


 24回目から38回目まで、【いくらで買うのか?】を取上げてきました。今回は趣向を変えてみましょう。


 私が原料購買をしていた頃によく出くわした空気を話してみましょう。

 

 たわわに実ったぶどうをキツネが見つけました。食べようと跳び上がるが、高い所にあって、届きません。いくら飛びついても届かないと諦めたキツネは言います。

「どうせこのぶどうは、すっぱいに決まっている。」

 

 一方、阪神大震災があった時のことです。


 原料と言うのは、とにかく買わなければ生産が止まってしまいます。ですから、あの時は流石に安定供給最優先と言う発想一色に染まりました。


 でも、そう言うばかりで、実際にやったことは緊急策だけで、安定供給最優先を本気で実施することは2度とありませんでした。

 「喉もと過ぎれば暑さを忘れる」と言う訳です。


 ところで、ここ数年続いていた原料価格の暴騰の局面であなたの周辺はこの発想が120%蔓延していたのではないですか?ひょっとしたらあなた自身もそうかも?


 そう言ったはずなのに、実は、その抜本的な実現のために膨大な時間を掛ける人はいないのが実態なのです。


 だったら、最優先なんて軽々しく言うなっての!


 なぜなら、最優先と言うのは全身全霊を注いでやることですよね。

 

 更に、よく言われる言葉に、「価格だけじゃない」があります。

(以下に続く)
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(続きです)

 QCDのバランスを意識したものです。Q=品質、C=価格、D=安定供給です。

 確かに3つとも継続取引には必要ですから、この言葉はもっともな響きを持っています。

 

 では、「どれが最も重要ですか?」


と聞くと意見が分かれることでしょう。

 

 これ、キツネと葡萄のおとぎ話にソックリではありませんか?


 本当の目的は、「キツネが葡萄を食べること」であったはずです。

 

 だったら、その目的を果たせるあらゆる方法を考え出して、実行するしかないでしょう。


 最も重要とは、【最も困難なことで、だからこそ、最も多くの情熱・知恵・情報・時間を掛けないとできるはずがないこと】ではないですか?


 では、どれが最重要なのでしょうか?

 


 やはり、『C=価格』が1番重要なのです!


 なぜなら、他の2つは基本的に利害が売り手と共有できるから全力で協力して貰えるものです。

 

 今日の結論は、【3つの内どれが最重要か?でした。

 

 では、今日はここまで。次回は、【いくらで買うのか?】の17回目、です。

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編集後記)

 新年、明けましておめでとうございます。本年も、昨年以上に宜しくお願いします。


 さて、今回は年初めなので、これ↓です。

300牛

 

 

 

 

 

 

 

 

 ホルシュタインはお馴染みですが、ちょっと変わった品種で、ジャージーと言います。

 兵庫県小野市の共進牧場と言うところに行けばいつでも見ることが出来ます。


 よだれを垂らさないし、いつ見ても小奇麗なので、牛の中では私の好きなタイプです。生後1ケ月ぐらいでしょうかね。瞳が大きくて可愛らしいです。


 頭や鼻筋を撫でると喜んでくれますよ。

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Profile
塩梅マン
化学原料に限定した購買コンサルタントです。化学原料コストダウン研究所の所長です。輸入価格を知った上で購買するのが合理的購買の原点であると信じております。このノウハウで私は475億円のコストダウン実績を挙げました。これを日本中に普及させることを目指しております。私の究極の使命は日本が本当の意味で国際競争力を強化することです。コストダウン、開発購買などの成果を多くの方が実感されるのを願っております。