2007年10月

2007年10月16日

チームプレイ

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      原料の購買はチームプレイ

   【関係部門との情報交流は購買の仕事】

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こんにちは、塩梅マンです。


 前回は、「なぜ買うのか?」の1回目で、現場でよくある場面を書きました。
そして、「自分は最も安く買っている」と言う錯覚から早く目を覚まして欲しいと言いました。


今日は【何故、買うのか?】の2回目、です。


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あなたは前回の会話にどんな感想をいだきましたか?

ちょっと、問題は何か?考えてみてくださいね。

 

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以下は、塩梅マン流です。

問題を上げて見ましょう。順に追っていくと次のようになりそうです。


1)研究の新原料について無関心でもよいと位置づけられている
2)研究部門は購買部門と連携しようとしていない
3)基礎情報もないのに見積書の説明を受けている
4)購買部門を差し置いて研究と売り手とで価格に関する話が行なわれている
5)研究からの見積期限に時間的余裕がない
6)購買部門が別の購入先を検討していない
7)購買側に対象の原料に関する情報類が殆どないのではないか?
8)安く買えるために何が必要かを研究部門で認識できていない
9)値下げ交渉に根拠がなく、ただ感覚的に値切るとの根性に染まっている
10)条件反射的に駄目と言って見て、価格が下がれば儲けものと内心思っている
11)価格交渉に対する判断基準が、上司への納得性とか関係者の同意を得られるかどうかと言った思惑になっていて定量的でない
12)売り手のセールストークを鵜呑みにして次の行動を決めている
13)価格交渉の経過を大げさにアピールして実力以上に大きく見せようとしている
14)社内にもセールストークを撒き散らして売り手の思惑を手助けしている
15)研究者も購買の話を100%信用して、自分に都合のいい情報を検証もせずに利用しようとしている
16)研究者は得た価格よりも研究所内での会議の方に気を取られている
17)購買マンは価格交渉の過程を自分に都合のよいように大げさに脚色して見栄を張ろうとしている
18)購買部長は部下の話を鵜呑みにして喜んでいる
19)購買部門の中でも売り手のセールストークを宣伝している
20)購買部長もセールストークに引き込まれてしまっている
21)購買部長は価格の妥当性についてまで突っ込みを入れていない
22)値下げが**%OFFと言う発想だけになっていて数値そのものが視野に入っていない
23)開発購買まで手回しよくやっていると虚像を作って部内を誤解させている
24)今回の実態について同僚はノーコメントで見て見ぬ振りをしている
25)今回の購買部長の評価の仕方を見て、同僚も同じように演技しようと思っている
26)購買マンが要領よさで生きており、仕事甲斐を持っているとは考えられない
27)購買部長のビジョンやポリシーが見えない。周りを気にしているだけでは?
28)購買部長は、仕事に対する判断軸を明確に持っていない
29)研究者は事業性と言うよりも研究部長ばかり見て仕事をしている感じだ
30)研究部長はセールストークで判断しており、見積もりの本当の意味を理解できていない

 

 

要するに、営業マンだけが賢く立ち働いていることが浮き彫りになってしまいましたね。


あなたの感想はいかがですか?

 

では、これらの問題を整理してみるとどうなるのでしょうか?次のようになっているのではありませんか?


A)原料マターには、部門間の情報交流が重要であることが認識されていない
B)購買権限への理解が社内に浸透していない
C)購買部門の主体性が全くない。指図されるままである
D)情報不足を放置して購買をしている
E)情報の信憑性を検証する意思がない
F)みんな自分なりの思惑で動いていてポリシーがない
G)価格に関して定性的・感覚的で定量性が全くない
H)みんながなあなあの構造の中で甘んじている
I)スタンドプレイが横行して認められている
J)売り手と対峙していると言う認識が殆どないので好きなようにされている
K)新原料の場合に、どこから買うべきかが一切問われていない

 


では、更に、もう一段踏み込んで纏めて見ましょう。課題は下記のようになります。

 


1)バックグラウンドの部分(会社風土・人材・教育に絡んだ課題)

 個人・組織のマインド:ビジョン・ポリシー・やり甲斐・意欲・存在感など

 

2)情報交流の部分(社内リソースの活用に関する課題)

 組織間の協業・助け合い・補完・意思疎通・交流など

 

3)購買に直結した情報の部分(買い手と使い手の協働作業)

 何故?何を?どこから?いくらで?の基本情報など

 

 

 結局、上記の2)を意識しながら3)を強化することが購買改革のためのキーポイントとなりましたね。

 

どうですか?共感できましたでしょうか?そうなんです。ここなんです。

 

 では、今日はここまで。

 

 

【今日の名言】

 人生は人間が共同で利用するブドウ畑です。
     一緒に栽培して、共に収穫するのです。

                 ローラン 出典:魅せられたる魂

 


 次回は、【なぜ買うのか?】の3回目、です。


編集後記)

 爽やかな秋空が続いて気持ちいいですね。今月一杯は天候もいいのではないでしょうか。
 ところで、あなたは「●●の秋」でしょうか?それとも「○○の秋」ですか?私は「船釣りの秋」にしたいです。

 

 さて、今回の写真は、「ちょうちょ」です。

 何か最近、、あなたも飛んでいるのを見る機会がめっきり減ったように感じますがそう思いませんか?

 街中に野原が減ってしまったので止むを得ないことなのかもしれませんがね。


 結構身近に見かける種だったのですが、ちょうちょと言うのはなんせじっとしていませんからねえ。ひらひらと風に舞っているのでちっともシャッターチャンスがありませんでした。

 

 えへん!どうです。ついにやりましたよ。このドアップ状態は私の自慢です。

 よっぽど疲れていたのかも知れませんね。

 

 難を言うと羽を全開していれば完璧だったんですけど・・・。まあ、影もうまく出来ているので反って味があって傑作なんではないですかね。
30ちょうちょ

 



Profile
塩梅マン
化学原料に限定した購買コンサルタントです。化学原料コストダウン研究所の所長です。輸入価格を知った上で購買するのが合理的購買の原点であると信じております。このノウハウで私は475億円のコストダウン実績を挙げました。これを日本中に普及させることを目指しております。私の究極の使命は日本が本当の意味で国際競争力を強化することです。コストダウン、開発購買などの成果を多くの方が実感されるのを願っております。